オルリスタット（化学式：C29H53NO5）とは肥満を治療するお薬です。
脂肪分解酵素（リパーゼ）の働きを抑制させ、体内への脂肪の吸収を妨げます。
体内に吸収できなくなった脂肪はそのまま排泄されます。
もともとは生活習慣病からの肥満治療のために開発されたお薬で、米国の食品や医薬品などを取り締まる政府機関、FDA（アメリカ食品医薬品局、Food and Drug Administration）に認可されています。
ジェネリックとしては、オルリガル、ビーファットがあります。
ところがこのオルリスタットは、FDAでは認可済みですが、日本では承認されていません。
日本国内で購入するのは不可能です。
また、個人輸入した場合には「医薬品副作用被害救済制度」が適用されません。
万が一、副作用が起きても医療費は全額自己負担になります。
厚生労働省ホームページに掲載された「個人輸入において注意すべき医薬品等」について
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/
効き目はあるの？どう効くの？
通常の場合：
脂っこいものを食べる→脂肪分解酵素が働く→脂が分解されて体内に吸収される
という流れなのですが、
オルリスタットを服用した場合：
脂っこいものを食べる→脂肪分解酵素が働かない→脂が分解されないで体外（便）に排泄される
という事になります。
つまり、脂っこいものを食べても吸収しないで全部うんちに出ちゃうから太らない、ということですね。
普段脂っこいものを好んで食べる方にはある程度の効果は見込めると思います。
が、逆に、あまり普段食べない方は効果を期待しない方がいいでしょう。
副作用は大丈夫？
オルリスタットの副作用については、厚生労働省からも注意が喚起されているようです。
厚生労働省がオルリスタット (ゼニカル、アライ) の個人輸入について注意喚起 (090911)
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail1274.html
①油漏れが起きる
体内に吸収されなかった脂が、自分の意思とは関係なしに漏れてくるようです。
知らない間にちびっちゃってる状態ですね（汗
このお薬を扱っているクリニックや輸入代行店などでは「ナプキンや大人用紙おむつで対応できます」とか書いてます。
でも口コミとか見てみると、気になって仕事が手につかないとか、苦痛すぎてもうやめます的なコメントが多かったですね。
油漏れだけなら特に健康に問題はないでしょうけど、日常の生活に支障を来してしまいそうですよね。
②ビタミンの排出
脂とともに脂溶性のビタミンも排出してしまいます。
脂溶性のビタミンというと、ビタミンA、D、E、Kの4つがあります。
これらビタミンが足りなくなると、
ビタミンA：夜盲症、角膜乾燥、皮膚の角化、生殖機能低下
ビタミンB：クル病、骨軟化症
ビタミンD：貧血
ビタミンK：下血、吐血など、出血性疾患（血液凝固機能の異常）
という欠乏症になる恐れがあります。
ですので、服用する際は、オルリスタットの効果時間以外の時にビタミン剤などで補う必要があります。
③肝疾患
肝疾患の報告は何例かあるようですが、今の時点では、はっきりとした因果関係のある死亡例は出ていないということです。
ですが、あくまでも日本未承認のお薬です。
しっかりした専門の医師に処方してもらう事をお勧めします。
現時点で分かっている副作用はこんなところですが、それでも「太ることを気にせずにあぶらっこい物を食べたい」という方は試してみて下さい。
日本では未承認なので、保険適用がなく高価ではありますが。
